酒さの構造を考える|腸・免疫編②|食事と炎症の関係
1|なぜ食事を見るのか
腸・免疫編①では、腸管バリアの破綻と自然免疫の過剰反応が、炎症につながる可能性があることを整理した。
腸管バリアや免疫の状態は、日々の食事の影響を受ける可能性がある。
自分の観察でも、食事の内容によって症状が変化するパターンがいくつか見えてきた。
この記事では、食事と炎症の関係を構造として整理する。
2|ヒスタミンと食事
ヒスタミンは体内で産生されるだけでなく、食事からも摂取される。
ヒスタミンを多く含む食品、またはヒスタミンの産生や放出を促す食品を摂取すると、体内のヒスタミン量が増加する可能性がある。
ヒスタミンを多く含む食品(高ヒスタミン食)
・発酵食品(納豆・チーズ・味噌・醤油など)
・鮮度低下した肉類・魚介類
・アルコール
ヒスタミン放出を促す食品(ヒスタミンリベレーター)
・カカオ
・トマト
・柑橘類
・アルコール
腸内でヒスタミンを分解する酵素(DAO)の活性が低下していると、ヒスタミンが蓄積しやすくなる可能性が指摘されている。
腸管バリアが低下している状態では、このバランスがさらに崩れやすくなると見ている。
3|マスト細胞と食事の関係
腸・免疫編①で整理したように、マスト細胞は腸管粘膜に多く存在し、刺激を感知するとヒスタミンをはじめとする化学物質を放出する。
食事由来のヒスタミンが腸から吸収されると、全身のマスト細胞を刺激する可能性がある。
また、特定の食品成分が直接マスト細胞を活性化させる経路も示唆されている。
マスト細胞が活性化すると
・ヒスタミン放出
・血管拡張
・神経刺激
・炎症性物質の産生
これらが重なることで、フレアが起きやすい状態になる可能性があると見ている。
4|脂質と炎症の関係
食事の脂質も、炎症に影響を与える可能性がある。
脂質の種類によって、炎症を促進する方向と抑制する方向に働くとされている。
炎症促進に関与する可能性があるもの
・飽和脂肪酸(動物性脂肪・加工食品など)
・オメガ6系脂肪酸(植物油など)
・酸化した脂質
炎症抑制に関与する可能性があるもの
・オメガ3系脂肪酸(青魚・亜麻仁油など)
高脂質の食事は消化負荷が高まり、腸管バリアや免疫の状態に影響を与える可能性が示唆されている。
自分の観察でも、脂質の多い食事の後に症状が見られるパターンがあった。
5|腸内細菌叢への影響
食事は腸内細菌叢の構成にも影響を与える。
糖質・加工食品・高脂質の食事が続くと、腸内細菌叢のバランスが乱れ(ディスバイオーシス)、腸管バリアの低下や免疫の過剰反応につながる可能性が指摘されている。
一方、食物繊維や発酵食品は腸内細菌叢のバランスを整える可能性があるとされている。
ただし発酵食品はヒスタミンを多く含むものもあり、影響については酒さの観点から慎重に観察を行う必要があると考える。
6|観察との接続
自分の観察では、食事の内容によって症状が変化するパターンがいくつか見えてきた。
特に症状が出やすかった食事として、高ヒスタミン食・高脂質・辛味のある食品が重なった日にフレアが起きやすい傾向があった。
単一の食品よりも、複数の要因が重なったときに症状が強く出る印象がある。
この背景に、ヒスタミンの蓄積・マスト細胞の活性化・腸管バリアの状態が複合的に関与している可能性があると考えている。
次の記事では、観察の中で見えてきた一つのパターンを例に、食事・腸・炎症の接続を具体的に見ていく。
7|観察から見えた注意点|ヒスタミンと除去について
ヒスタミンと症状の関連が見えてきたとき、醤油・味噌などの発酵食品が肌の状態に与える影響を観察したいと考えた。
これらを除去して観察を続けた結果、さまざまな要因が重なり、
肌の反応が強く出る状態になっていった。
観察から見えてきたのは、特定の食品を除去することで、別の経路からヒスタミンへの抵抗が下がる可能性があるということだった。
発酵食品の除去+さまざまな要因の重なり
↓
ヒスタミン代謝バランスの変化
↓
ヒスタミンへの反応性が変化する
↓
少量でも過剰反応しやすくなる
↓
酒さ症状の増悪につながる可能性
ヒスタミンと症状の関連が見えると、除去が有効に思えるかもしれない。
しかしこの観察が示しているのは、
安易な除去が別の問題を引き起こす可能性があるということである。
これはあくまで自分の観察から見えてきた仮説であり、
個人の状態によって異なる可能性がある。
ただ、ヒスタミンに関する情報をもとに除去を行う前に、
この視点も持っておく必要があると考える。